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動物たちの目に、この世界や人間が、どう映っているのか、考えたことがあります。

動物になれば、それが見えるのかというと、きっと、そうではありません。

人の思考を、動物に落とし込んでも、それは形の違う人です。

動物として世界を見ることは、人間にかなえられることではありません。

この問題にたいする、ひとつの解答を示してくれる漫画が、「disigns」です。

天才“五十嵐大介”の描く、美しい、HA(ヒューマナイズド・アニマル)の世界

“disigns”では、動物を人に、デザインしています。

人の能力を有した動物の思考を、共有することで、かれらの世界を体験することができます。

この漫画では、かれら、HA(ヒューマナイズド・アニマル/遺伝子編集によって動物を人化させた生命体)の世界を、一人称で体験できます。

それを可能にしているのが、作者 “五十嵐大介” の、天才的な画力です。

人の都合を考えない真実の描写

かれの描く世界は、人に都合よく脚色された、“人の目線の動物世界”ではありません。

どの世界も美しく、新鮮で、真実のような、真実でないような、夢のような思考を実体験できるんです。

どこまでいっても、人が描いた人でないものの世界という枠を、脱することはできませんが、あふれるほど存在する、“人の目線の動物世界”と比べると、実にリアルで、おどろきます。

不完全なうつくしさ

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ひとは完全なシンメトリーにはできていません。

そんなわたしたちは、シンメトリーにちかい人間に惹かれます。

ですが、“完全にシンメトリー”な人間をみれば、「気持ちが悪い」と感じます。

この一例に、「不気味の谷現象」というものがあります。

ロボット工学者の森政弘が1970年に提唱した。森は、人間のロボットに対する感情的反応について、ロボットがその外観や動作において、より人間らしく作られるようになるにつれ、より好感的、共感的になっていくが、ある時点で突然強い嫌悪感に変わると予想した。人間の外観や動作と見分けがつかなくなると再びより強い好感に転じ、人間と同じような親近感を覚えるようになると考えた。

wikipedia

アニメや漫画で、整った顔のキャラクターを見ていると、「かっこいい」「かわいい」と感じます。

ですが、かれらが人間の世界に存在したら、とても不気味に感じます。

人間は、完全ではないからこそ、美しいと感じ取る生き物です。

この漫画の最大の魅力は、“不完全にうつくしい” を再現する描写力にあると、考えています。

“リアルをリアルに描く”ことを、躊躇していない

ときとして、“ありのままを描く”ということは、とてもリスキーで、批判の対象になりえます。

その領域に、躊躇なく、されど丁寧に踏み込んでいるのが、この作品のスタンスです。

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「脳はものなんて考えてないよなあ」

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「歯もなくていいよなあ。エサを流動食にすればいいんだから」

この漫画世界での鍵を握る人物“オクダ”

かれの価値観は、非常にシンプルで、味わい深いものです。

なんども反芻して、かみしめたくなるようなことを、言ってくれます。

わたしたちは、ぶたの脳が、何も考えていないことに、気が付いています。

だけど、「かれらにも思考があって、感情がある」と思っていたいんです。

人間の都合で、擬人化された動物たちは、人間の世界の中だけで、生き生きと、ドラマチックに会話をし、踊ります。

猫や犬の言葉を翻訳する機械なんて、人のエゴでしかないと、気が付いているのに、“そう思いたい”一心で、購入します。

それは、だれも不幸にはしないし、動物を虐待する行為でもありません。

でも、それがリアルなのかどうかと問われれば、「ちがう」と、答えるほかありません。

ディザインズ(disigns)最新巻は、2018年04月21日頃発売予想

ゆったりとしたペースで、発行されています。
現在は、2巻まで発行されています。
最新の3巻は、来年の春ごろでしょう。

追記:ディザインズ第3巻が発売されています。気づかなかった。

1月には発売されていたみたいです。予想よりずっと早い。

買おっかなあ今回は。Kindle版で。

とりあえず表紙のデザインが最高です。

ディザインズ4巻の発売日は、このペースだと早くても年末。順当にみれば年明けですね。

まれにみる良作なので、気長にファンを続けたいと思います!

 

そういえば、ぼくがこの漫画をしったのは、2016年です。

あまりにむかしなので、読んだことを忘れていました。

先週、TSUTAYAのレンタルコミックスをぶらぶらしていたら、表紙にグッときて、即行で借りました。

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そして、このレビューを書いている時に、

「あれ?これ知ってたかも…」

と、ピンときました。

読んだことは忘れていても、またこの漫画を手に取ったということは、ぼくの好きなものって、あんまりかわってないのかなって、思いました。

なんだか、ホッとしたんです。

たぶん、大切にしているものとか、好きなものって、そんな突然変わったりしないんですよね。

また、こういう漫画に出会えたらうれしいです。

来週も、TSUTAYAいってきます!

 

https://note.mu/tsugainoishi/m/mf6a628e7aac9